伝統メジュ醤油 伝統発酵食文化協会 実践講座 メジュづくり 味噌づくり

メジュ醬油には驚くべきパワーの成分が

6月2日に仕込んだ
新しいバージョンのメジュで仕込んだ天然醤油!メジュ(天然豆菌の塊)は、半分は、枯草菌
半分は、アスペルギルス ソーヤ(日本醤油カビ)によって分解され、とっても香ばしい香りがします。まだ2週間は経ってないのにすでに色は濃いブラウン!!! すでに立派な醤油になってます。味はまだ塩っぱいですが、納豆の香りがほとんどしません。
だんだんタンパク質も分解され、グルタミン酸も沢山出ると思います。10年前は丸粒メジュを仕込みましたが、僕はどっちも好きです。7月は日本の伝統醤油を仕込みます。

メジュ(天然豆菌100%の塊)

メジュ醬油 伝統醬油 伝統味噌

外側にはカビがほぼなく、少し白カビと黄麹菌があるくらいがちょうど良い状態です。”Aspergillus flavus”アスペルギルス属のフラバスというカビが猛毒でもあり、発がん物質でもある毒を作り出し、体に非常に危険です。

メジュ(天然豆菌100%の塊)中身

中側は、黒、白、黄色の三重になった状態が一番良い状態です。香りは香ばしく、納豆の香りが少ししますが、ほとんどしないところも特徴です。失敗するととんでもなく臭いです。腐敗をするととっても臭いです。

2025年6月2日に仕込んだメジュ醬油

メジュ醬油 伝統醬油 伝統味噌

写真は仕込んでから2週間経過した写真です。すでに醬油色になっていて香りは香ばしい香りがします。味はまだ塩っぱいですが、このまま少なくても3ヶ月間放置、じっくりと熟成させる予定です。

9年前に仕込んだメジュの醬油

メジュとは、韓国語で메주と言いますが、日本には7世紀くらいに渡ってききた醤油と味噌の素です。中国は、大豆で発酵させる醤がなく、肉か魚を発酵さえる醤油だったため、記録によりますと大豆の醬は高句麗の人が作る醤油だと沢山の記録が残っています。

豆醤が穀醤として 日本に伝来 した道として朝鮮半島か らとの説が韓国に記録が残っていまが、三国時代後期の神文王三 (683)国王の結婚の時の納采のリストに 『醤脯鼓醢』などが 見られ るのである.鼓 (くき)と醢(ひ しお)は正倉院文書では未醤とかいてこれを 「味噌』と読ませている.高麗時代の文献 『雉林類事』には 『密祖 (ミジヨ )』とあり、新井白石は東雅で高麗の醤の未醤が日本に入りミソ 』となったと記している

大豆が中国東北部や朝鮮半島で 作られてそれが欽明天 皇の 御代 (540)に入り、仏教の伝来と共に殺生を禁じる風潮が生じるに従って肉醤が敬遠せられ次第に豆醤 (穀醤)が盛んになったのである.

高麗より伝えられた未醤を高麗醤,それを習っ た醤を和製醤と称したと言われる.これとは別に唐宋との交易も盛んであったので唐醤と区別 したものと考えられる.古墳時代の緩期 (532〜549)仁徳天皇の代に著わされ前項の斉民要術に記された唐の制度をそのまま我国にまた飛鳥時代の文武天皇の頃 (701)に大宝律令が制定されたがその前後 (675)に穀醤の 渡来があったとされている.

我国の 正税として夭武天皇の時代 (686)に但馬の国から正税帳に醤の字が現われて朝廷へ の献上の記述がある.19)これらの醤は穀醤か魚醤か肉醤かは定かではないが一種の味唱のようなモノであり(6醗酵工学 第68巻) 醤の由来大宝律令が発布されたのは文武天皇の大宝元年(701)でそれによれば当時の 宮中では醤を掌る醤院が設置されている.

22)大内裏図考証に大膳職および醤院考定図があって大膳職の組織が示されている.醤を司る主醤二人が任命されて大膳亮をもって醤院勾当に任じられたが陽成天皇の元慶6年 (882)に 焼亡して正確な記録はなく,詳細を伺い知ることはできない .

23)平城天皇の大同3年 (808)には廃制となり,後年西院の 別院 として醤院が設け られて ,大膳亮が 醤院勾当に任ぜられた とも記述されている.穀醤の渡来については大宝律令の公布の約50年後の孝謙天皇の御宇の天平勝宝6年 (754)に唐僧鑑真が渡来して律宗と共に庶糖 〔和名沙塘)を伝えているが,同時に未醤も伝えたとも言われている

天正天皇の養老 2年 (718)に養老令が制定されたのであるが,これが大宝律令の散逸後に 後代に残された制度書すなわち官制となったのである.聖武天皇の頃 (730〜740)には東大寺正倉院文書が著わされて多く醤の字が現われて くる.

奈良時代に入って記録,木簡,文書に多く現われてくるから,既に当時の人々に広く日常的に 使用されてい たのであろう.ナメ味噌的なものであった と思われ る.古代での醤は中国では肉醤 (ししび しお〉が主で,朝鮮半島では豆醤,我国では魚醤が主なものであったようである.

※ 醤油の歴史(文献:醗酵工 学会誌 第68巻 第6号 493−508.1990日 本 醤 油 産 業 史 考ーー丿 田 正 夫*カ ワ タ工業株式会社)

湯浅醤油とどう違う?

メジュは、枯草菌が多く、大腸菌にとって、素晴らしい菌でもいあります。簡単に言いますと納豆菌と同じ種類ですが、天然なのか人工なのかの違いがあります。天然の場合は、枯草菌が大豆を分解する時に、ゲニステインが沢山作られ、体にとても良い成分として働きます。

ビタミンKを作る

枯草菌(バチルス・サブチルス)の一種である納豆菌は、ビタミンK2を産生します特に、納豆にはビタミンK2が豊富に含まれており、この醤油を使うことでビタミンK2を効率的に摂取できます。しかもこのメジュ醤油は、醤油ができると同時に味噌もできるメリットがあります。日本のように、醤油は醤油、味噌は味噌に分類されていますが、メジュは同時に手に入ります。

ビタミンK2が足りないとどうなる

ビタミンK1と違ってカルシウムとの関係が深く、足りないと血管石灰化を促進させるのです。すなわち、カチカチになるというイメージです。ビタミンk2は石灰化を抑制するとても重症な働きがあります。

歯も健康になる

ビタミンk2は健康な歯にしてくれるのです。

脳にもとても良い食材

脳の細胞を健康にしてくれるため、認知能力もグーンと上がります。

インスリン

インスリン分泌にあたって、重要なサポートもしてくれます。

カルシウムの吸収力がグーンと上がるため、骨が丈夫になるところも良いですが、

一番良いところは、乳酸菌とペアを組んで、過酸化水素を除去してくれる素晴らしい働きをします。

枯草菌は、カタラーゼを生成します。

カタラーゼは、過酸化水素(H2O2)を水(H2O)と酸素(O2)に分解してくれるとても重要な酵素でもあり、過酸化水素は細胞にとってとっても有害な活性酸素の一種であるため、カタラーゼは絶対に必要です。細胞を酸化ストレスから守ってくれる役割をするため、とても重要な酵素でもあるので、乳酸菌が粘膜に定着しやすくしてくれるので、善玉菌がとても喜ぶ菌でもあります。お互いに共存し、ペアを組んで人間の腸内フローラを健康にしてくれる菌でもあります。

メチオニン

天然伝統醤油、メジュで作る醤油にはメチオニン成分が多く、アミノ酸合成に欠かない成分でもあるのです。特に肝臓がタンパク質を合成する時にメチオニンが必要ですが、解毒作用の機能もあります。

メジュの醤油はアミノ酸が豊富

加齢とともに消化機能はだんだんと低下していきます。30代、40代の時は全く気づかなかった消化力、30代は鉄を食べても消化されると言いますが、50代になると話がガラッと変わります。50代になってからは消化力が落ち、ご飯を食べた後、疲れる時も多いでしょう!ですが、この醤油を毎日使うと枯草菌はもちろん、すでに枯草菌によって分解されたアミノ酸が多いので、肉を分解する時のタンパク分解酵素の素晴らしいサポートをしてくれるのです。そのサポートによって負担が軽くなり、消化に膨大なエネルギーを半分に減らすこともできるのです。

「食は、命の源でもあり、薬でもあります。どういうふうに食べるのかによって薬になり、毒にもなります。

人工化学調味料の塩酸分解の醤油を使うとアミノ酸と添加物、ナトリウムしかないため、腸内フローラに色々な影響を及ぼすのです。天然と人工が戦うとどちらが勝つでしょう???

天然は遺伝子が生きているすなわち、生命のメカニズムが刻み込まれているのです。発酵と熟成の繰り返しで沢山の経験をした枯草菌は、環境に敏感なので何をどういうふうに生き残るのかを考え、素早く対策を考えます。

人工はただの化学物質に過ぎませんし、腸内の微生物によっても関わりたくない物質でもあります。どちらが良いでしょう!
皆さんはすでに答えを持っていると思います。

参考&文献

醤油の歴史(文献:醗酵工 学会誌 第68巻 第6号 493−508.1990日 本 醤 油 産 業 史 考ーー丿 田 正 夫*カ ワ タ工業株式会社)